国土交通省監修による「ガラスを用いた開口部安全指針」

「ガラスを用いた開口部安全指針」とは

国土交通省監修による「ガラスを用いた開口部安全指針」

昭和61年に通達された、国土交通省監修による「ガラスを用いた開口部安全指針」では、多くの人々が利用する公共建築の出入口や一般住宅など、様々なガラスの開口部について人体衝突による重大な傷害事故を防止するための規定がわかりやすくまとめられています 。

物を衝突させるショットバック試験により、ガラスの強度基準を設定。安全設計が必要とされる建築物(その部位)との関係を明確に示し、推進・普及しています。

『建築主、施主の責任問題が問われるガラスの事故!』

国土交通省では「ガラスを用いた開口部安全設計指針」の利用・普及を通達で求めています。万一事故が発生した場合、この指針が示す安全設計への配慮の有無は、建築物の欠陥、事故を防止する注意義務のひとつといえます。

「開口部安全設計指針」は公知の事実です。ガラスによる事故が発生した際、「知らなかった」「説明されなかった」という弁解では済まされないことがあります!

安全設計が必要とされる建築物とその部位とは?

出入り口のドアとその周辺

ガラスと気づかずに衝突する可能性が最も高いと考えられる、床近くまであるガラスを危険性が高いと判断しています。

その他の開口部

特に浴室(裸である)、学校(子どもが遊ぶ)などのガラスは、危険性が高いと判断しています。

部位 居住専用の部分(住宅) その他の部分(非住宅)
出入り口およびその隣接部 出入り口のドア 床面から60cm未満の高さに下辺があるガラス
出入り口のドア周辺 ドアの端辺から水平方向に30cm未満の範囲に一部または全部が含まれ、かつ床面から60cm未満の高さに下辺があるガラス ドアの端辺から水平方向に120cm未満の範囲に一部または全部が含まれ、かつ床面から60cm未満の高さに下辺があるガラス
※ただし、そのガラスと出入り口との間が、恒久的な間仕切り壁で仕切られているときなどのように、出入り口との間に連続したガラス面を構成しないときは、そのガラスは対象となりません。
その他の開口部 一般 床面から30cm未満の高さに下辺があるガラス 床面から45cm未満の高さに下辺があるガラス
浴室、学校など 床面から60cm未満の高さに下辺があるガラス

板硝子協会 開口部の安全設計指針 ~安全設計の方法について~より抜粋

設計衝突力の設定

人がガラスに衝突したときの衝突力を、45kgのショットバッグと呼ばれる試験器具の落下高さに置き換え、設計衝突力(単位=H)として表しています。

建築物の用途別の設計衝撃力:例

  出入り口及びその隣接部 その他の開口部
集会所のロビー等 120cm (H) 75cm (H)
事務所、店舗などの玄関周りなど 120cm (H) 75cm (H)
浴室など 75cm (H) 75cm (H)

上記他、詳細は板硝子協会 「開口部安全設計指針」

【この指針では、上記のような部位には、安全な構造を持つ合わせガラス強化ガラスを使用するよう推奨しています。】

関連サイト

板硝子協会 「開口部安全設計指針」